英会話上達法の前に、関係なさそうですが・・・

英会話上達法の前に、関係なさそうですが、“歩く”という事について少し考えたいと思います。

特に障害が無い場合は、人は誰でも普通に歩いてますよね。大体誰でもみ~んな歩けます。
ですが、覚えていませんか? 歩くってそんな簡単な事ではなかったような気がします。

生まれてから、結構長い間は寝返りしかできなかったし、それから匍匐(ホフク)前進?ではなく・・ハイハイを初めて、やっとのことで、壁に手をついて立ち上がり(足がガクブルしてたけど・・)一歩踏み出しては転び、気を取り直して、もう一度立ち上がって、次の一歩でまた転び・・・ちゃんと2足歩行できるまでには、随分な回数ひっくり返ったような記憶があります。
今は、何も考えずに歩いてますが、(しかも苦労しないで!)最初から歩けた訳ではなかったんですね。

さらに、歩けるからと言って、誰でも競歩選手になれるわけではありません。大体人は4km/h、つまり時速4キロで歩いてますが、競歩選手は4倍の16km/h、時速16キロで歩きます。
想像して下さい。16キロですよ、16キロ! これって、並大抵の事ではありません。

反復練習が、本当に大事な練習だったと思う

話は変わりますが、次は錦織圭選手の活躍で、がぜん注目が集まっている“テニス”についても少し考えてみます。

錦織圭選手は、178cm (ちなみに靴のサイズは26.5cm)なので、日本人としては立派な体格ですが、世界で戦うとなると、やはり小さい! 余談ですが、マツコデラックスの靴は30cm、ボブサップは何と40cm!(ホンとか!?)。話がそれました、・・・・スミマセンm(._.)m
で、そんな彼が、体格で勝る世界と戦うために何をやったかというと、練習です!それも、猛練習!!
錦織選手のコーチの、マイケルチャンコーチは、それはそれは厳しいコーチ(まるで宗像!古!!(^_^))らしく、その練習は9~11時半、コート練習、14~16時 コート練習、16~18時 ジム・プールでのトレーニング、それからマッサージで体を整えて、19時半ぐらいにまで・・・そして、練習内容は、反復練習や基礎的な練習を徹底して行ったようです。

その結果、本人いわく「本当に単純なチャンスボールの反復練習をすごくたくさんやってきたので、まあそのおかげで試合中にも絶対ミスしない自信をつけたり、大事なところで自分から打っていけるようにそこでしっかり自信を得られたと思うので、本当に大事な練習だったと思う。」とおっしゃっています。
前フリが長かったですが、ここらあたりからだんだんと英語に関係ある話になってきます。

英語を喋れないのは、時間をかけなさすぎなのが、ほとんど唯一の理由

日本人なら、日本語。アメリカ人や、イギリス人なら英語。キホン、母国語は、世界のどの国の人も、(言ってもいいなら、あまり勉強ができない人、さらにもっと平たく言えばアホでも)大体何も考えず喋っています。喋ってはいますが、しかし、“歩く”のと同じで、初めから喋れたわけではありません。

語彙の量も十分になり、ほぼ問題なく喋れるようになるのは、小学校高学年、つまり10歳頃でしょうか(あくまで、ほぼ問題なくなので、以降さらに語彙を増やす必要がありますが)。そうすると、つまり、日本語環境にいて、しかもお母さんを始めとして、忍耐強く熱心なコーチに囲まれ、自身でも膨大な時間、それと気づかずともトレーニングをして、10年かかります。“ほぼ”までで、10年です。

日本人は中学校3年間、高校3年間の都合6年、週5時間以上は英語を勉強しますが、繰り返しますが、日本語環境にいて、しかもお母さんを始めとして、忍耐強く熱心なコーチに囲まれ、自身でも膨大な時間、それと気づかずともトレーニングをして、ほぼまでで10年、眠ったりするので1日12時間としてもトータル43、800時間! 一方、週5時間を6年間勉強したとしても、1,500時間! つまりわずか3%しかありません! 日本語の習得に使った時間の30分の1です!

単純に、これでは、喋れるハズがありません。あなたが英語を喋れないのは、あなたが悪い訳でなく、時間をかけなさすぎなのが、ほとんど唯一の理由です。

こうすれば英語は上達する・・英会話上達法・・私はこれで喋れた・・のような方法は、個人に合う・合わないを除けば、一部例外を除いて全て正解です。では、何故上達しないのか?

あなたが、一般の人に比べて、30倍賢いアタマの持ち主なら、別ですが、そうでなければ、時間をかけなさすぎ、若しくは、自分の能力を過信しすぎてるのが原因です。

言語の習得はだれでも可能です。だから、それぞれの国で、それぞれの言葉をみんな喋っている訳です。英会話ができるためには、例えば、100mを10秒台で走れないとダメ!ってことはありません。つまり、特殊な能力や技術が必要という訳ではないのです。しかし、時間はかかります。そして量も必要です。

時間、ちゃんとかけてますか? 一日10分を毎日やりましょう、という事をほんとに毎日出来てますか?それができないのに、何故喋れないのかを悩むのはちょっと間違ってませんか?

日本語をしゃべる時、スラスラ喋っていますが、それは膨大な時間をかけて暗記してるからです。言語の習得は究極的には思考ではなく、暗記です。錦織圭選手が述べているように、“反復練習をすごくたくさんやってきたので、絶対ミスしない自信をつけた”のと同じ事を英語に対して、英会話に対して行ってますか?

覚えていませんが、歩けるようになるまで、何回こけて、又立ち上がってを繰り返しましたか?

そういうことをせずに、何故上手くならないんだろうって思うのは、少し自分勝手じゃないですか?

英会話上達法はいろいろありますが、そのほとんどすべては間違ってません。ただ、そんなにスピードアップはできません。ひょっとしたら倍速位まで効率的にはなるかも知れませんが、とんでもなく早くはなりません。

いくらお腹が減っているからと言っても、チキンラーメンは3分かかります。2分くらいで何とか食べれるかも・・ですが、それより早くは、ちょっと無理です。

だから、英会話が上達しない理由はたった一つ。ちゃんと勉強しないからです。

繰り返します。英会話が上達しないのは、あなたがちゃんと勉強しないからです!より正確には、ちゃんと時間をかけないからです!

身もふたもないですよね。

英会話は量に比例して、誰でも上達する事ができます。

少し、テニスの話に戻りましょう(^_^)。

全くテニスをしたことが無い人同志では、テニスになりません。サーブも打てないし、ラリーも続きません。

テニスサークルに入ってたとか、部活がテニス部だった人と、経験が全く無い人では相手になりません。ルールも知らなければ、サーブをどこから打つかも知らないでしょう。それこそ雲泥の差です。

だがしかーし、部活がテニス部だった人と、錦織圭選手とでも同様に相手になりません。別に世界ランカーの錦織圭選手ではなくて、プロの選手が相手でも、全く歯が立ちません。一矢も報えないでしょう。

錦織選手はプロの世界ランカーですから、歯が立たなくても当たり前です。プロの選手が相手でも、相手はプロなんだから歯が立たないのは当たり前です。でも、言葉は全員プロです。日本語を喋っている日本人は、もれなく全員日本語のプロです。世界ランカーかどうかは別にして、会話には全く困らない日本語のプロです。

英会話学校で勉強している皆さんは、全くの素人ではなく、部活テニスのレベルです。ルールを無視してテニスの試合が成立しないのと同様に、言葉のルール=文法の勉強も必要です。でもルールだけいくら知っててもテニスのプロにはなれないように、文法だけ詳しくても言葉のプロにはなれません。

片言でも良いという方も沢山いらっしゃいますが、言語の場合、私たち日本人が、全員日本語のプロであるように、相手は全員プロです。テニスサークルとテニスプロとでは話にならないように、片言対プロでは、文字通り話になりません。日本人の場合、片言の日本語を喋る外国人には、ゆっくり喋ったり、簡単な言葉を使ったり、相手のレベルに合わせようと、随分手加減をしますが、外国人はあまり相手に合わそうなどという事はしてくれません。それこそ、容赦なしです。

週1回英会話スクールに通って、次来たときには、前回のレッスンを殆ど忘れちゃってる状態で、上手くならないのを悩むのは、間違ってます。上手くなるハズが無い。“反復練習をすごくたくさんやってきたので、絶対ミスしない自信をつけた”と言えるように成る位は頑張って下さい。
しっかり、復習して下さい!知らない単語について、あまり考えないで下さい。もともと知らないんだから、どんなに考えても分りません!考える代わりに覚えて下さい!!

何もプロにならなくても、と想われるかも知れません。しかし、言葉では、全員がプロなんです。プロが普通なんです。日常会話がプロなんです。せめて、日常会話位は話せるようになりたいじゃないですか。でもそれが言葉ではプロって事なんです。

自身の事を見直して、いったいどれだけ勉強したかを、見つめなおして下さい。自身が一度聞いたことは絶対忘れない、みたいな記憶力の天才なのかどうか、ちゃんと見直して下さい。鎌倉幕府は誰が何年に開いたのか覚えてますか?もう少し頑張って下さい。そうすれば、英会話は、特殊能力がいらない分、時間はかかりますが必ず伸びます。
英語ができない、英会話が喋れないのは、勉強方法が悪い訳でも、教材が悪い訳でも、先生が悪い訳でもありません。時間もかけないで上達すると思い違いをしている自分自身に問題がある事を、先ず理解して下さい。
そこがちゃんと理解できると、例えば、長文に取り組まない、映画は一気に最後まで見ない、覚えていない単語・イディオムを思い出そうとしない、基本フレーズは、どんな時でもスッと使えるまで反復して覚えこむ!等々、の自分なりの効率的な上達法が見えてきます。

英会話は誰でも上達します。英会話は量に比例して、誰でも上達する事ができます。なので、たとえ少しずつでも頑張って下さい。

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